12.20
老化した「ゾンビ細胞」光を使って目で見えるように、アンチエイジング医療につながる発見、慶應義塾大学や愛知医科大学、筑波大学のチームが発表 | ヒフコNEWS
「ゾンビ細胞」とも呼ばれる老化細胞を、光で可視化する技術が、慶應義塾大学、愛知医科大学、筑波大学の研究チームによって開発された。開発された技術は、アンチエイジング医療における老化研究を大きく前進させる
情報源: 老化した「ゾンビ細胞」光を使って目で見えるように、アンチエイジング医療につながる発見、慶應義塾大学や愛知医科大学、筑波大学のチームが発表 | ヒフコNEWS

老化を目で見える?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)
「ゾンビ細胞」とも呼ばれる老化細胞を、光で可視化する技術が、慶應義塾大学、愛知医科大学、筑波大学の研究チームによって開発された。開発された技術は、アンチエイジング医療における老化研究を大きく前進させる可能性がある。美容医療の分野でも、施術の効果を確かめるなどの可能性が考えられる。
細胞老化を直接捉えるラマン散乱技術

老化した細胞を光で見えるように。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)
ヒフコNEWSで以前取り上げたように、シワや顔のたるみなど、老化の秘密にはゾンビ細胞(老化細胞)の存在が注目されている。ゾンビ細胞が存在すると、周囲の細胞の老化が促進されるため。この周囲の細胞を老化させる現象は、SASPと呼ばれている。
※SASP(Senescence-Associated Secretory Phenotype)は、老化細胞が分泌する炎症性因子の集合であり、周囲の細胞や組織の老化を進める現象を指す。老化細胞がなぜ老化を引き起こすかの謎を解く鍵となる。
研究チームが活用したのは、光を利用して細胞内部を解析する「ラマン散乱技術」。この技術により、従来必要だった化学的処理を省き、生きた状態に近い細胞の観察を可能にした。
注目したのは、老化細胞に蓄積する「アミロイド」と呼ばれるタンパク質。アミロイドは、βシートと呼ばれる特徴的な折りたたみ構造を持つ変性タンパク質で、細胞内での蓄積が老化と関連している。このタンパク質を、光によって浮かび上がることで、老化細胞を目で見えるようにすることに成功した。細胞の老化の初期段階における小さな変化も高感度で検出可能にしたことが重要だ。
さらに、老化の進行をリアルタイムで経時的に観察できる点が特徴で、細胞を傷つけることなく長期的な研究や診断への応用が期待される。
美容医療への応用の可能性も

アンチエイジングの医療にもつながる可能性。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)
アンチエイジング医療において、この技術には幅広い応用が期待される。例えば、老化細胞が見えることで、施術や治療の効果を科学的に評価する手段となる可能性がある。肌の老化メカニズムをより詳細に解明する手段としても期待される。
この技術は、美容医療の質を向上させるだけでなく、化学処理が不要なため、生体への負担を軽減できる点でも注目されている。化学処理が不要であるため、診断の効率化や新しい治療法の開発にも寄与すると期待される。
このような技術の登場により、老化予防や若返りへの関心は一層高まるだろう。
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