2025
10.29

老眼の点眼薬、米で承認 薬物治療に新たな選択肢 「医療新世紀」

PODCASTネタ

米製薬企業レンズ・セラピューティクスは、同社が開発した老眼治療用の点眼薬「VIZZ」が米食品医薬品局(FDA)に承認されたと発表した。米国では2021年に他社製品の「VUITY」が承認されており、老眼の薬物治療に新たな選択肢が加わった。

日本には今のところ老眼用の承認薬がないが、老眼は加齢に伴ってほぼ全ての人がかかる疾患だけに、眼鏡や手術に頼らない簡便な対策として注目されそうだ。

正常な目は「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉が伸縮し、レンズの役割をする水晶体の厚みを変えることでピントを合わせる。しかし年齢を重ねると毛様体筋が衰え、水晶体の弾力性も失われる。その結果、ピントを合わせにくくなり近くがぼやける。これが老眼だ。

同社によると、VIZZの有効成分アセクリジンは毛様体筋ではなく、瞳孔(黒目)の大きさを調節する虹彩の筋肉「瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん)」に作用し、瞳孔径を2ミリ未満に縮小する。これによって「ピンホール効果」が生じ、近くに焦点が合いやすくなる。1日1回の点眼で30分以内に効果が表れ、最長10時間持続する。

先行したVUITYも同様に瞳孔を縮小させるが、その有効成分ピロカルピン塩酸塩が瞳孔括約筋と毛様体筋の両方を収縮させるのに対し、アセクリジンは瞳孔括約筋に選択的に働くため副作用を軽減できるという。

臨床試験では刺激感やかすみ目、頭痛などの副作用が報告されたが、同社は「大部分は軽度かつ一過性で、自然に消失した」としている。

ピロカルピン塩酸塩の点眼薬は、日本では緑内障の治療に使われているが、老眼の改善目的では自由診療扱いとなり、保険は適用されない。

注)FDAの承認は7月31日

https://www.m3.com/news/general/1303371?dcf_doctor=false&portalId=mailmag&mmp=MD251028&mc.l=1196619241&eml=4c5174481111e1d6437b48df12aaf0b6

情報源: 医療ニュース | m3.com

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