考察メモ:美容医療の課題と再生医療の展望
エクソソームに関する懸念と美容医療の実態
エクソソームの現状と課題
- 正体不明: マイクロRNAの一種とされるが、具体的な種類、効果、どの細胞由来か、何を伝達しているかの詳細は不明。「細胞外小胞」とのみ認識されている。
- 安全性の懸念:
- 他人由来のエクソソームは、他人の組織を移植するのと同等のリスクを伴う。
- 未知の物質を体内に点滴などで入れることの危険性が指摘されている。
- 美容業界での流行と実態:
- 「エクソソーム入り」を謳う化粧品や点滴が多数存在するが、明確な効果は疑問視されている。
- 過去に、ポテンザ(美容機器)とエクソソームをセットにした広告で一時的に成功したが、実態が不明なため自主撤退した経緯がある。
PRP(多血小板血漿)療法の問題点と実態
- 認可と規制:
- 第3種再生医療機関の認可取得には1年半を要した。
- 認可取得以前に、「フリーズドライなら(認可なしで)使える」という触れ込みのPRPキットを営業され使用していたが、後に問題が発覚し、現在は裁判で係争中。
- 偽PRPの実態:
- 問題となったフリーズドライPRPを検査した結果、血小板血漿はゼロで、炎症を引き起こす物質のみが検出された。
- 炎症による一時的な自己再生能力亢進が、効果と誤認される可能性がある。
- 本物のPRPとは効果が全く異なる。
- 安全管理の不備:
- 自己血を使用するとはいえ、輸血と同様の厳格な細菌検査や品質管理(例:培養検査)が必要だが、一般のクリニックでは実施されていない可能性が高い。
- PRPカラムの製造業者は自主規制を設けているが、抜け道も存在する。
- 効果と濃度:
- PRPの効果は血小板濃度に大きく左右され、濃度が低い場合は効果が期待できない。
- 適切な濃度のPRPは皮膚再生(シワ改善、肌質改善など)に効果があるとされる。
- 実験レベルでは、PRPにより若い頃の細胞が再生する可能性も示唆されている。
- 見分け方:
- 第3種再生医療機関として認可されているかどうかが、信頼性の一つの目安となる。
- 注入方法:
- 注射だけでなく、マイクロニードリングという方法もある。
- ダーマペン:有名な機器だが、針がぶれるなど性能が悪く、肌を余計に傷つけるリスクがある。
- メソガン(水光注射):安価な機器が多く、針のコントロールが難しく、均一な注入ができない可能性がある。
- 注射だけでなく、マイクロニードリングという方法もある。
再生医療に関する法規制と現状
- 再生医療新法 (2014年施行):
- 施行以前から行っていた施設は既得権益として、古い方法のまま継続が認められるケースがある。
- 施設基準と機械更新:
- 院内にCPC(細胞培養加工施設)を設置し、再生医療機関としての認可も必要。
- 使用する機械を更新する際には再審査が必要となり、古い基準の施設は更新できず、実質的に治療を提供できなくなる場合がある。このため「PRP治療は今すぐにはできない」と返答するクリニックが増えている。
- 遺伝子治療:
- 遺伝子治療も再生医療法の監督下に置かれることになった。
- メッセンジャーRNA(mRNA)技術もこれに含まれるが、ワクチンに関しては例外的に除外されており、この点に疑問が呈されている。
美容医療全般における問題点
広告と情報開示の限界
- 広告規制: 医療広告ガイドラインにより、具体的な治療内容や効果を詳細に宣伝することが困難(例:高須クリニックのCMはクリニック名を連呼するのみ)。
- SNS上の情報: SNSで積極的に宣伝を行っているクリニックの中には、必要な資格を取得していない場合があり、資格があれば罰則の対象となる。
- 情報提供の難しさ: 規制を遵守すると、パンフレットなども非常に難解な内容にならざるを得ない。
治療効果と持続性への誤解
- 対症療法の横行: 患者の多くが効果の「持続期間」を気にしており、根本治療ではなく一時的な効果を求める傾向がある。
- ヒアルロン酸注入:
- 脂肪より重いため、注入後に重力で垂れ下がり、ブルドッグ顔の原因となることがある。
- 完全には吸収されず、体内に異物として残存するリスク。
- 血管内に入ると血栓症を、神経に触れると神経障害を引き起こすリスクも指摘されている(抗加齢学会の専門医試験でも問題として出題)。
- ボトックス注射:
- エラに注射することで小顔効果を謳うが、筋肉の動きを抑制するため、食事の際に口が開きにくくなったり、固いものが食べられなくなるなどの副作用リスクがある。
- 歯科医が歯ぎしり治療などで行うものとは異なり、美容目的での安易な使用は危険。
- レーザー治療(シミ取り):
- 医学的に推奨度が高い(ABレベル)とされるシミ取りレーザー治療は存在しない。「やってもいいが、推奨はしない」レベルのものがほとんど。
- 炎症後色素沈着のリスクがあり、火傷と同様のケアが必要となる。
- 「シミ取り」という確立された治療行為自体が存在せず、薄くなる程度と考えるべき。
- 糸リフト:
- 金の糸など、体内に残存するタイプのものは除去が困難。
- 皮膚を引っ張り上げるタイプのものは、時間経過とともにバランスが崩れ、不自然な状態になるリスクがある。
- 吸収性の糸も存在するが、効果は一時的。
- HIFU(ハイフ):
- 高密度焦点式超音波により、皮下組織を加熱し収縮させる原理(電子レンジと同様)。
- 一時的に引き締まったように見えるが、組織を焼いているため、繰り返すと硬くなったり、逆に修復過程でたるみが悪化する可能性も指摘されている。
- 長期的な視点の欠如: 美容医療の多くは、長期的にはむしろ肌の状態を悪化させる可能性がある。
- 価格競争と質の低下:
- 銀座などの激戦区では、過度な価格競争により1年と持たずに閉院するクリニックも少なくない。
- 「お客様」として扱い、「治療」ではなく「施術」と称し、根本的な改善を目指していないケースが見られる。
- 「老化は病気」という視点: 老化を病気と捉え、治療可能であるという考え方もある。
医療制度とクリニック運営の課題
保険診療の限界
- 診療報酬の低下: 保険診療における診療報酬は年々引き下げられている。
- DPC(診断群分類包括評価): 疾患ごとに医療費の総額が決められているため、病院側は患者を早期に退院させようとする傾向がある。
- 保険病名の実態:
- 特定の薬剤を処方するために、実際とは異なる病名(いわゆる保険病名)が付与されることがある(例:胃薬を出すために「胃炎」と診断)。
- マイナンバーカードと保険証の一体化により医療情報がデータ化されると、このような実態が表面化し、統計上「胃の悪い国民が非常に多い」といった誤った結果を招く懸念がある。
- 医師の裁量権: 美容医療分野における医師の裁量権のみを制限することは難しく、他の診療科への影響も考慮する必要があるため、厚生労働省も対応に苦慮している。
- 大病院の受診システム: 大病院では紹介状がないと受診しにくいシステムになっているが、これは開業医の経営を守るための日本医師会の意向も反映されている。
- 日本医師会は国の機関ではなく民間団体である。
- 効率優先の弊害:
- 一部のクリニックでは、医師一人が複数の診察室を掛け持ちし、移動しながら短時間で多くの患者を診る効率重視の設計が採用されている。
- 一人当たりの診察時間が極端に短くなり、丁寧な診察が困難になっている。
- 丁寧な診察の重要性:
- 初診に1時間以上かけるなど、時間をかけた丁寧な診察が、病気の原因究明や適切な治療方針の決定には不可欠(例:糖尿病治療における生活習慣の聞き取り)。
- AI技術の活用:
- カルテ作成にAI(音声入力、病名提案など)を活用する試みが進んでいる。医学用語特有の方言にも対応可能なシステムが開発されつつある。
その他の治療法・薬剤・健康関連情報
線維芽細胞療法
- セルバンク(細胞保管サービス)の営業があった。高額な治療法。
プラセンタ注射
- 本来は毎日投与することで効果が期待できるものであり、月1回程度の投与では効果が薄い可能性がある。
- 生物由来製剤のため、献血ができなくなるなどのリスクがある。
帯状疱疹ワクチン
- 従来からの生ワクチンと、新しい遺伝子組み換えワクチン(メッセンジャーRNA技術を利用)の2種類がある。
- 遺伝子組み換えワクチンは、コロナワクチンと同様に強い副反応が出る可能性が指摘されている。
コロナワクチン (メッセンジャーRNAワクチン)
- 多くの副反応が報告されており、国内でのワクチン接種後の死亡認定者数は2,197人、審査中のケースも1万人以上存在する(録音時点)。
脂肪幹細胞治療
- 脳細胞への効果も期待されているが、非常に高額(1,000万円規模)な治療となる。
高額薬剤の現状
- 抗がん剤の中には1錠1,400万円といった極めて高価なものも存在する。
- ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療薬には、1回の投与で1億円を超えるものもあるが、高額療養費制度の対象となるため、患者の自己負担額には上限がある。
血糖値管理
- 血糖値は食事だけでなく、ストレス(会話、運転、写真撮影など)によっても大きく変動する。
- 持続血糖測定器(リブレなど)による24時間監視が有効。
血圧管理
- 近年、標準血圧の基準値が引き下げられる傾向にあるが、これは製薬業界の意向(患者数の増加)も影響しているとの見方がある。
- 血圧を下げすぎると、末梢血管への血流が不足し、臓器機能に影響が出る可能性もある。
小児救命医療の経験
- わずかな兆候も見逃せない小児救命医療の現場経験から、初見を疎かにすることへの強い警戒感がある。
医療情報の非対称性と情報源
- 厚労省通達のAI要約: 「再生医療ネットワーク」というウェブサイトで、厚生労働省の難解な通達文をAIが要約したものが公開されている。
- ポッドキャスト: テレビなどでは報道されない医療情報や、専門家による深い議論がポッドキャストで発信されており、重要な情報源となり得る。
社会・経済に関する話題
食料問題と経済政策(備蓄米問題)
- 古米の価格が2,000円で市場に出回るという報道があったが、これは一部の米であり、飼料価格への影響や、結果的にアメリカからの緊急輸入につながる可能性が指摘されている。
- 選挙対策のパフォーマンスとの見方もあり、本質的には国民の所得を向上させる政策が必要である。
エネルギー問題(原子力電池)
- 約50年前にNASAのボイジャー計画で実用化された「原子力電池」という技術が存在する。
- 核分裂を利用する原子炉とは異なり、放射性物質の崩壊熱を利用するため、小型化が可能で安全性も比較的高いとされる。
- 東海村の日本原子力研究開発機構で、この原子力電池の開発が進められている。
- 将来的には、各家庭に設置することで電力網に依存しないエネルギー供給が可能になるかもしれない。
情報格差
- マスメディアが報道しない重要な情報(医療、科学技術、経済など)が存在し、情報源へのアクセスによって情報格差が生じている。
海外の美容医療事情(韓国)
- 日本の若い世代の間で、韓国へ渡航して安価な美容医療を受けることが流行しているが、薬剤の品質や安全性(生物由来基準を満たしているかなど)に大きな懸念がある。
日本経済の現状
- 100円ショップのようなデフレの象徴ともいえる業態が定着している一方で、国民の給料水準は約30年間ほとんど上昇していない。
- コスタリカの事例(軍隊を持たない平和国家、高い医療水準)と比較し、日本の物価の異常な安さと経済の停滞が浮き彫りになる。
結論と提言
- 美容医療からの撤退: 長期的に見て患者のためにならない、むしろ害になる可能性のある美容医療(HIFU、ヒアルロン酸、効果の疑わしいレーザー等)からは撤退し、PRP療法のような再生医療に注力する方針。
- 医療の本来あるべき姿:
- 対症療法ではなく、病気の原因を徹底的に追求し、根本的な治療を目指すべき。
- 患者一人ひとりに十分な時間をかけた丁寧な診察が不可欠。
- 現在の保険診療システムでは限界があり、自由診療も含めた新しい医療の形を模索する必要がある。
📅 今後の予定
- [ ] 院長とLINEで連絡を取り、詳細な打ち合わせを行う。
- [ ] 参加者の一人が改めて相談に訪問する。
- [ ] 別の参加者がセカンドオピニオン(がん、肝硬変など、または風邪でも可)を利用する。
- [ ] Discordの医療関係者コミュニティへ招待する。
- [ ] ポッドキャスト「クリニックの休み時間(仮)」を聴取する。
- [ ] ウェブサイト「再生医療ネットワーク」で厚労省の通達要約を確認する。
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