作成:ヒメクリニック 院長 武藤ひめ
目次
- はじめに ― 私たちが「皮膚再生医療」にこだわる理由
- 再生医療とは(制度・安全管理を含む)
- 皮膚再生医療とは
- PRPとは/歴史と仕組み
- 上清液・エクソソームとPRPの違い(重要:厚労省の注意喚起)
- ヒメクリニックの PRP 2.0(特長・加工体制・強み)
- 料金・プラン内容(60万円/2回治療+診察一式)
- 診療の流れ(初診~採血~2回治療~効果確認)
- 適応症状と期待できる変化
- 安全性・ダウンタイム・リスク
- よくあるご質問(Q&A)
- 用語解説
1. はじめに ― 私たちが「皮膚再生医療」にこだわる理由
ヒメクリニックはPRP(多血小板血漿)を中心とした皮膚再生医療に特化しています。院長は周産期医療(新生児医療)・救急医療に長く携わり、「皮膚をいかにつくらせるか」という生命維持の現場での視点から組織再生の重要性を学びました。こうした経験を、美容医療で「自分の治癒力を引き出す」安全で納得感の高い治療に生かしています。
2. 再生医療とは(制度・安全管理を含む)
再生医療は、傷んだ組織・機能を修復・再生させることを目的とした医療です。日本では再生医療等の安全性の確保等に関する法律(通称:再生医療等安全性確保法)により、安全管理と提供体制が厳格に定められています。PRPは一般に第三種再生医療に分類され、認定再生医療等委員会の審査を経て厚生労働大臣へ提供計画を提出し、受理された医療機関のみが実施できます。Ministry of Health, Labour and Welfare
当院は第三種再生医療の提供機関であり、提供計画番号:PC4230007として適切に手続きを行い、審査・届出に基づいてPRP治療を提供しています(当院公式サイト掲示)。RMNW HIME clinic ヒメクリニック
用語解説
・第三種再生医療:リスクが比較的低いとされる再生医療。PRPなど。
・認定再生医療等委員会:外部有識者による倫理・科学的妥当性の審査組織。
・提供計画番号:厚労省に提出・受理された再生医療計画の識別番号。
3. 皮膚再生医療とは
美容皮膚科領域で、肌そのものを作り直す力を高めて質的に若返らせることを目指す治療の総称です。ヒアルロン酸やボトックスのように「形を足す/動きを抑える」対症的なアプローチと異なり、コラーゲン・エラスチン産生や血管新生を促し、肌質・質感の底上げを図ります。
4. PRPとは/歴史と仕組み
PRP(多血小板血漿)は、自分の血液を採血して遠心分離し、血小板を高濃度に含む血漿を抽出したものです。血小板は傷の修復時に成長因子(PDGF, VEGF, TGF-βなど)を放出し、線維芽細胞の活性化・コラーゲン産生・微小循環の改善を促します。
PRPは歯科・整形外科領域から臨床応用が広がり、現在では皮膚の若返りや薄毛治療などでも用いられています。
用語解説
・成長因子:細胞の増殖・修復を助けるタンパク質。
・線維芽細胞:真皮でコラーゲン等を作る主要細胞。
・微小循環:毛細血管レベルの血流。栄養・酸素供給を担う。
5. 上清液・エクソソームとPRPの違い
5-1. 素材の違い
- PRP:患者さまご自身の血液由来(自己由来)。
- 幹細胞培養上清液(上清液):他者由来の幹細胞を培養した際の上澄み(細胞を含まない液)に含まれる成分を用いる治療。
- エクソソーム:細胞が分泌する細胞外小胞(EV)の一種で、上清液中にも含まれ得る微小な小胞。
5-2. 厚労省からの重要なお知らせ(患者さま必読)
- エクソソーム等について、現時点で有効性・安全性が示され薬事承認を得た医薬品は存在しない旨が、厚生労働省から周知(事務連絡:2024年7月31日)されています。自由診療で用いる場合は、実施医師の責任のもと安全性に特に留意するよう求められています。Ministry of Health, Labour and Welfare
- また、「エクソソーム試薬」と称して医療機関向けに販売される製品について、治療等に用いる目的の医薬品として承認を受けておらず、効能効果を標ぼう・暗示する表示は無承認無許可医薬品として指導・取締りの対象となり得る旨が、厚労省(医薬局監視指導・麻薬対策課)から監視指導の事務連絡として示されています(2024年7月31日)。Ministry of Health, Labour and Welfare
当院の方針
ヒメクリニックは、法令・通達に則った安全な再生医療の提供を最優先とします。エクソソーム製剤を医療目的で使用する治療は行っていません。必要に応じて学会ガイダンスも参照し、PRPなど自己由来成分を用いた治療で安全性と再現性を重視します。Ministry of Health, Labour and Welfare
用語解説
・上清液:培養細胞を取り除いた培養液の上澄み。
・エクソソーム:直径30–150nm程度の細胞外小胞。
・試薬:研究用途を想定した製品。医薬品ではありません。
6. ヒメクリニックの PRP 2.0(特長・加工体制・強み)
6-1. CPC(細胞加工施設)での安定品質
当院のPRPは、採血後に外部CPCで専門的に加工します。ロートグループのCPC(RCFT)に委託し、クリーン環境・標準化手順のもとで高濃度PRPを安定供給できる体制を整えています。これにより、院内簡易処理ではブレやすい濃縮度・不純物管理を厳密に行い、治療の再現性を高めています。rcft.co.jp+1
用語解説
・CPC(Cell Processing Center):細胞や血液由来成分を無菌的に加工するための設備・体制。
6-2. 2ステップ設計の「PRP 2.0」
1回目の注入で反応(腫れ・吸収・質感の変化)を評価し、2回目で深さ・層・部位を最適化。効果の持続と自然さを狙った**計画的(プロトコール型)**のプログラムです。
6-3. 必要な併用治療を「含める」方針
本当に結果に直結する施術は、追加オプションではなく最初から含める。この考えのもと、必要に応じてショートスレッドリフト(短い糸のリフト)やCO₂レーザー等をプラン内で実施します(適応は診察で判断)。「何を足すか」を患者さまに選ばせるのではなく、医療側が責任をもって設計します。
6-4. 施術技術と安全性
周産期医療・救急の経験に基づく精緻な針さばきと層の選択を重視。血管走行・解剖を基盤に、内出血や腫れの最小化を図りながら、部位ごとに**面(スキン)/線(靭帯)/ポイント(支点)**を使い分けます。緊急対応にも医療機関として準備しています。
7. 料金・プラン内容(総額60万円・税込)
PRP 2.0(2回):600,000円(税込)
含まれるもの:初診・診察、採血、PRP注入2回、効果確認の診察、必要に応じたショートスレッドリフト・CO₂レーザーなどの併用施術、基本処置・麻酔等。
※適応外の追加治療が必要な場合は、診察時に医学的必要性と費用の透明性を説明します。
8. 診療の流れ
- 初診・診察:お悩み(しわ・たるみ・目元・首・薄毛・痛み等)と既往歴、内服薬を丁寧に確認。
- 採血:必要量を採血し、CPCへ加工委託。rcft.co.jp
- 1回目注入:解剖に基づく層別注入(目元・ほうれい線・こめかみ・首ほか)。
- 経過観察:反応を観察し、2回目設計をアップデート。
- 2回目注入:不足分の補正/深さ・層の最適化。必要に応じてスレッド・CO₂も。
- 効果確認:質感・輪郭・目元の印象を評価し、ホームケアまで提案。
9. 適応症状と期待できる変化
- しわ・たるみ:額・目元の小じわ、ほうれい線、マリオネットライン、フェイスライン
- 目元の若返り:上まぶたのゆるみ(軽度の眼瞼下垂含む)、目の下のクマ
- 首のたるみ・横じわ
- 毛髪(薄毛・分け目のボリューム)
- 質感改善:ハリ・ツヤ、毛穴、ニキビ跡・瘢痕
- 筋・腱・関節の痛みの軽減(整形外科領域でのPRPの応用知見に基づく)
効果発現の目安:数週間~1~2か月でコラーゲン再構築が進むにつれて自然に向上。個人差があります。
10. 安全性・ダウンタイム・リスク
- ダウンタイム:腫れ・赤み・内出血・圧痛(数日~1週間程度が目安)。
- 合併症:一時的な左右差・しこり感・違和感・色素沈着(稀)。
- 自己血由来のためアレルギーや拒絶反応は理論上きわめて少ない一方、効果の程度と持続は個人差があります。
- 禁忌・要注意:妊娠中・授乳中、抗凝固薬内服、重篤な基礎疾患、感染症など。個別に判断します。
11. よくあるご質問(Q&A)
Q1:ヒアルロン酸やボトックスと何が違いますか?
A:PRPは皮膚そのものの再生を狙う治療です。形を“足す/動きを抑える”施術と併用設計も可能ですが、PRP 2.0では肌質の底上げを優先します。
Q2:1回でも効果はありますか?
A:1回でも変化はあり得ますが、反応をみて2回目で最適化する設計とすることで、自然さと持続性の両立を目指します。
Q3:上清液やエクソソーム点滴は行っていますか?
A:当院は行っていません。厚労省の周知・監視指導に基づき、医薬品として承認されたエクソソーム製剤は現時点で存在せず、「エクソソーム試薬」を治療目的で用いることや効能表示には厳しい注意喚起がなされています。Ministry of Health, Labour and Welfare+1
Q4:PRPは法的に大丈夫ですか?
A:PRPは第三種再生医療として、審査・届出を経て提供する法令準拠の医療です。当院は提供計画番号PC4230007で実施しています。Ministry of Health, Labour and Welfare+1
12. 用語解説(まとめ)
- PRP(多血小板血漿):自分の血液から血小板を濃縮した血漿。
- CPC:無菌加工施設。PRPの品質・再現性に直結。rcft.co.jp
- 上清液:幹細胞培養液の上澄み。細胞は含まず成分のみ。
- エクソソーム:細胞外小胞。医薬品として承認なし・試薬について厳格な注意喚起。Ministry of Health, Labour and Welfare+1
- 第三種再生医療:比較的リスクの低い分類(PRP等)。Ministry of Health, Labour and Welfare
監修・責任表示
医療法人 RMNW HIME CLINIC(ヒメクリニック)
院長:武藤ひめ
第三種再生医療等提供計画番号:PC4230007(PRP)RMNW HIME clinic ヒメクリニック
加工体制:RCFT(ロートグループ)CPCに加工委託(PRPアウトソーシング)。rcft.co.jp
参考情報(患者さま向けの公的・学会情報)
- 厚生労働省「再生医療等安全性確保法(制度概要/第三種の枠組み)」Ministry of Health, Labour and Welfare
- 厚生労働省(医政局)「幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)」2024年7月31日Ministry of Health, Labour and Welfare
- 厚生労働省(医薬局)「エクソソーム試薬に係る監視指導について」2024年7月31日Ministry of Health, Labour and Welfare
- 厚労省「再生医療等に関する更新情報(エクソソーム関係掲載)」Ministry of Health, Labour and Welfare
- RCFT(ロート)「PRPアウトソーシング/CPC」rcft.co.jp+1
最後に
再生医療はあくまでも医療です。患者さまの気になる点を丁寧にうかがい、院長 武藤ひめが診察したうえで、最適な治療プランをご提案します。しわ・たるみ・ほうれい線・眼瞼下垂(軽度)・目のクマ・首のしわ/たるみ・薄毛・筋肉や関節の痛みなど、まずはお気軽にご相談ください。
当院の原則:「結果に必要なことはすべて含めて設計する」— その方針がPRP 2.0です。あなたの自然な若返りを、医学的根拠と安全性に立脚してサポートします。
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