国内未承認の医薬品成分エトミデートを含む「笑気麻酔」と呼ばれる危険ドラッグが県内の若者たちの間で乱用されている問題で、県警などは２３日、エトミデートが新たに指定薬物に指定されたと発表した。２６日からエトミデートを含む製品の所持や使用、流通が禁止される。捜査関係者によると、沖縄が販売拠点の一つで、交流サイト（ＳＮＳ）を介して流通しているとみられる。

今年２月以降、県警が交通事故や薬物事犯の捜査で押収した電子たばこのリキッドの一部からエトミデートが検出された。１０～２０代を中心に乱用され、意識混濁や手足のしびれなどの症状があるという。ＳＮＳ上では「沖縄でしか出回っていない笑気麻酔置いています」「沖縄手押し（違法薬物の手渡し）」といった投稿も目立つ。詳細のやりとりは秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で行われている。

捜査関係者は、沖縄を拠点に全国へ流通していると分析。販売価格は２万～３万円と高価なことから反社会的勢力の資金源となっている可能性もあるとみている。エトミデートは海外では鎮静剤や麻酔導入薬として使用されるが、電子たばこなどで吸引する「ゾンビ・タバコ」がまん延、社会問題となっている国もある。